ボクらの博多夢高座その1 好朝・酔書二人会(2004.7.3.)

「ボクらの博多夢高座」というサブタイトルはぽんプラザでやることが決まってからすぐに思いついたネーミング。福岡市内ではご存知粗忽家勘朝さんが運営している内浜落語会が精力的に活動し、私もその会員の一人として高座に上がらせてもらっている。甘棠館笑劇場での定席「商店街寄席」は常連が通ってくださっているし、天神の「天神寄席」でも毎回40名前後のお客様が来てくださる。そういう内浜落語会のホームグラウンド以外の大きい会場でどれだけ通用するかやってみたかったというのがまずある。それに、宗像に住む私や、田川の好朝さんから見れば100万都市「博多(福岡)」での落語会は都会での晴れ舞台だ。「田舎者(ボクら)の都会での晴れ舞台」という素直に謙虚な気持ちと、なんと言っても博多は芸どころ。そういう意味で「ボクらの博多夢高座」というネーミングが出た。内浜落語会の表の正当派的な落語会に対して、アンダーグラウンド的なイメージでやりたいという気持ちもあった。もちろん好朝さんもすべて異論はなかった。(と思うけど…笑)

 先月、川崎町での好朝さんの勉強会にゲストで参加させてもらった時の打ち合わせで、オープニングをプロレス風にしたい(なんじゃ!)との好朝さんの提案があったので、当日はまずそのオープニングのリハーサルに時間を使う。暗転から大音量のテーマが流れ、スポットを浴びながら出演者が影アナの紹介にしたがってリング、否、高座前に登場するというオープニング!プロレスのことは分からないし、落語会らしくない幕開けだが私もこういうのはアングラ的エンターテイメントとしては結構好きだ(結局好きなのか!!)。東京のプロの新作の会などに行くと、会場にBGMでジャズが流れていたり、高座をとりまく舞台全体が落語会然としていないところが結構ある。以前からそういう落語会も面白いとも思っていた。

結局オープニングのリハーサルだけで30〜40分かかった(わお!)が、本番でもお客サンの反応はよかったんじゃないかなあ。好朝さんの相棒の狂志君の影アナも手馴れたもの。暗転からスポットの中へ次々と登場する出演者やスタッフにお客サンが拍手する。自然とお客サンが笑顔になり、会場も和んだのを感じた!これ以上にない「前座」だった。

さて、一席目は私の「高砂や」。マクラはほとんどぶっつけ本番だったので、うまく口にのらない。いつも思うのだが、一流のプロの会に行くとマクラでもう笑ってしまう。どうやったらあんな風にしゃべれるのだろう。マクラは自分の言葉だからこれで笑いのとれる人はやっぱりセンスがあるんだろうなあ。噺のほうは可もなく不可もなくといったところ。次の好朝さんに気持ちよくやってもらえるだけの高座になったか分からないが、とにかくバトンタッチした。

好朝さんの噺は「粗忽長屋」。好朝さんでは初めて聴く噺。柳家で覚えたんだろうなあとわかるせりふ回し。相変わらず、オリジナルのくすぐりが楽しい。浅草の観音様を出すのに、鐘がカーンと鳴って「そうそうカ〜ンのん様」は笑った。プロのテープをそのまんま覚えて写すだけだった私の芸風に刺激を与えてくれたのは好朝さんだ。こういうセンスをもっと真似たいと思いながら聴いていた。

中入り後はいよいよ好朝さんと小いもさんの夫婦皿回し。これまで何度も見てきたが、やっぱり楽しい!あの皿回しといい、オットセイのように頭に乗せる「バランス」(←あれは大神楽ではなんて言うの??)は私には真似できない。それに小いもさんとの掛け合いも、型にはまっていて、「芸」になっているところがすごい!恐ろしい夫婦やなあ!(笑)この二人は漫才ネタもいくつかあるらしい。今度はぜひお願いしたい!

さて、トリは私の「お見立て」。甘棠館笑劇場での独演会でやって以来の高座。その時のビデオを見てイメージを思い出したが、通してのおさらいがほとんど出来ないまま臨んだ。案の定なかなかはじけない出だしだったが、やりながら、以前のような、プロのマスターテープ(志ん朝師匠)の匂いが消え、自分の言葉でやれている気がして楽しかった。よく高座に上がる者同士で、「噺をしばらく寝かせてまた演るといいものになる」と言うが全くだ。うまくマスターテープのイメージを忘れるからよいのだろう。このへんなかなか落語って深いもんだ。噺の出来としては肝心なところで言い間違えたりしたが、自分としては自然に楽しくやれてよかったと思う。いいお客サンにも助けられたのもあるかも。とにかく打ち出し。会を終えられた安堵感とともに受け付けでお客様を見送った。2回目はいつになるだろう。今度は私がスケにまわって好朝さんがトリをとってもらおう。楽しみだ。

  一、高砂や 酔書  一、粗忽長屋 好朝 中入り 一、皿回し 好朝 

 一、お見立て 酔書



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